開店当時から変わらないという、伝統建築で作られた店内の床や天井、作り棚を眺めていると、かつてここで下駄をすげていたであろう職人のご主人の姿が浮かんで来ます。
ひとり一人の足に合わせて、鼻緒ずれをしない履きやすい下駄を作れるようになるには、10年からの修行が必要とのこと。その昔、専門の学校なども無い時代に、職人を目指した人たちは、毎日毎日、親方のやり方を見て学んだということです。本物の職人さんが少なくなってしまったのは、とても残念ですが、本物の下駄や草履を愛用する方もまだまだいらっしゃるということで、うれしい限りですね。
女将さんと小学校からの幼なじみの桂歌丸師匠もご愛用者のお一人。長年、余川履物店さんの下駄や雪駄をご愛用されているそうです。すっと背筋を伸ばして歩く、師匠の粋な立ち居振る舞いの理由のひとつが、本物を身につけているということではないでしょうか。
女将さんの店 余川履物店
横浜市南区浦舟町1-19 TEL045-231-2072
◎営業時間:10:00〜18:00 ◎定休日:日曜日